スタン・リーヴィーは、タイニー・カーン
シェリー・マンと並んで最も初期にバップを体得した
白人モダン・ドラマーのひとりだ。
スピード感にあふれる叩き方で西海岸派のリズムを
支えてきた功労者である。
サイドマンとしての吹き込みがほとんどだが
ベツレヘムとモードと言うレーヴェルにリーダー作があり
いずれも胸の空く爽快なバップに仕上がっている。
同じものを黒人が演奏すれば当然ハードバップと呼んだのであろうこの音楽が
ウェスト・コースト・ジャズと定義されてきたのは、フレーズが同じでも
実際に体感する雰囲気が軽く明るく白かったからに他ならない。
本アルバムは6人編成のバンドだが全員のソロが聞けるのはAB面の4曲目だけで
他は各メンバー個人を特別にフィーチャーした構成になっている。
この作品で日本人ジャズファンに最も注目される点は黒人ソニー・クラークの
参加だろう。 ニューヨークでブルーノートと契約する以前のソロが
「Why Do I Love You」で全面的に聴ける。
ブルーノート・アーチストたちの中でソニー・クラークは
最もアクの少ないタイプだったことから、アメリカでは人気が低かったが
こうした白人セッションの中で聴くソニー・クラークは実にマッチしている。
奏法自体はニューヨーク時代も変わっていないことを考えると
彼の本質を考える上で大きな参考になりそうだ。
グランド・スタン/スタン・リーヴィー
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